皮膚科・小児皮膚科
皮膚科専門医
東京慈恵会医科大学皮膚科非常勤講師
私は、東京慈恵会医科大学病院で、多岐にわたる皮膚疾患、数多くの重症例を経験し、皮膚科専門医を取得しました。専門医取得後も大学で更なる研鑽を積み、「乾癬」専門外来、「接触皮膚炎・パッチテスト」専門外来、皮膚がんの手術や褥瘡回診などを行ってきました。現在も休診日には、東京慈恵会医科大学附属病院で乾癬外来を担当し、常に新しい治療法のアップデートに励んでいます。また、豊富な皮膚腫瘍の手術経験を活かし、当院でも積極的に小手術を行っております。
まずは、皮膚トラブルの身近な相談窓口と思って頂けたら幸いです。
日本皮膚免疫アレルギー学会、日本研究皮膚科学会
診療案内
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アトピー性皮膚炎
かさかさした赤い痒い皮疹を特徴とする慢性に湿疹・皮膚炎を繰り返す炎症性疾患です。
湿疹・皮膚炎以外にアトピー素因の喘息・アレルギー性結膜炎・アレルギー性鼻炎を合併したり、アトピー性皮膚炎の家族がいる(家族歴)場合があります。
夏季の発汗が多い時期や冬季の乾燥しやすい時期に悪化することが多いです。
治療に関しては、ステロイド外用薬、タクロリムス外用薬、抗ヒスタミン薬内服、保湿剤外用、生物学的製剤皮下注射を行います。
しかし、ただ外用するだけでなくどういう外用のやり方が重要です。また、治療効果を高めるには生活環境に対する配慮が必要になるため、当院では具体的な外用方法や生活環境へのアプローチを含めた患者指導を行っております。
中等症から重症のアトピー性皮膚炎の患者さんにはシクロスポリン(ネオーラル®)内服、血液検査などを行った上でJAK阻害薬内服、デュピルマブ(デュピクセント®)皮下注射なども行っております。
脂漏性皮膚炎
乳児期や中年期以降に発症しやすく、頭部、顔面、腋窩、陰部といった皮脂分泌が多い脂漏部位に湿疹・皮膚炎を生じます。
皮膚常在であるマラセチア属なども悪化因子と考えられています。
洗顔、洗髪の励行やステロイド外用薬、抗真菌薬外用を行います。
乾燥性湿疹/皮脂欠乏性湿疹
加齢や入浴時にナイロンタオルを使用するなどを背景に汗や皮脂の分泌が減少した皮脂欠乏症にかゆみを伴う赤みが続発し発症します。
暖房器具を使用する冬季に多いです。入浴時に洗浄しすぎないことやナイロンタオルを使用しないことが重要です。
接触皮膚炎(かぶれ)
外界物質による刺激や外界物質に対するアレルギー反応としてかゆみを伴う赤みが出現します。日用品、化粧品、金属、食物、医薬品、職業性など原因が多岐にわたります。また、皮膚への接触だけではなく、抗原吸入により全身性に発疹が出現することもあります。
診断にはパッチテストが有効です。近年、パッチテストパネル(S)を用いた貼付試験を行えるようになりました。
伝染性膿痂疹(とびひ)
皮膚に細菌感染が起こり、みずぶくれやかさぶたを生じます。それが全身に拡大することによりとびひといわれる状態に至ります。
とびひは細菌感染症であることから抗菌薬の内服や外用が必要となります。かゆみが強い場合はステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬を使用する場合があります。
じんましん
出現消退を繰り返すかゆみを伴う紅斑や膨疹を生じます。原因不明(特発性)のことが最も多いですが、感冒症状や食事、寒冷、日光、圧力などが誘因となることがあります。
治療は、抗ヒスタミン薬の内服です。
ざ瘡(にきび)
にきびは中高生の思春期に好発します。毛穴のつまり、皮脂やアクネ菌の増加などが原因です。アダパレン、過酸化ベンゾイル、抗菌薬などの外用を行います。重症例では抗生剤を内服します。洗顔なども非常に重要です。
乾癬
銀色の鱗屑(フケ)を伴う赤みが全身に広がる慢性炎症性疾患の1つです。以前は治りにくい皮膚疾患としてステロイド外用治療だけなされていましたが、現在はエトレチナート(チガソン)、シクロスポリン(ネオーラル)、アプレミラスト(オテズラ)などの内服薬、生物学的製剤を代表とする注射薬、ビタミンD3製剤、Narrow Band UVB療法やエキシマライトなどの光線治療など治療法が多岐にわたります。
掌蹠膿疱症
手のひらと足の裏に水疱や膿疱が出現する疾患です。重症例では鎖骨と胸骨の部分に痛みが出現することがあります。治療はステロイド外用、ビタミンD3外用治療や光線治療を行います。虫歯や扁桃炎が関与することもあり、必要に応じ、歯科や耳鼻咽喉科を受診して頂きます。重症例では、生物学的製剤による治療を紹介させていただきます。
尋常性白斑
後天的にメラニン細胞が減少や消失するために脱色素斑を生じる、いわゆる『白ナマズ』と言われる疾患です。甲状腺機能異常などホルモン異常が関与している可能性もあります。
尋常性疣贅(いぼ)
ヒトパピローマウイルスが皮膚に感染し、その部分が固くなります。足の裏にできた場合は痛いこともあります。治療は液体窒素を用いますが、漢方のヨクイニンを併用したり、治りにくい場合は、炭酸ガスレーザーを用いたり手術で切除することもあります。
帯状疱疹
水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化により症状が出現します。神経節に沿って皮膚の一部分に帯状に皮疹が出現します。筋肉痛のような鈍痛やチクチクとした針で刺すような痛みが特徴です。帯状疱疹後神経痛が残る場合があるので、早期に抗ウイルス薬の投与が必要です。
単純ヘルペス
ヘルペスウイルスによる感染で水疱がでたりします。口唇ヘルペスや性器ヘルペスなどがあり、抗ウイルス薬による治療を行います。
伝染性軟属腫(みずいぼ)
軟属腫ウイルスによる感染症です。接触による感染が多く、軟属腫ウイルスに対する免疫のない小児が多く発症します。治療は水いぼ鉗子を用いて摘出します。摘出の個数が多い場合は麻酔薬のテープを貼付した後に摘出すると痛みが少なくなり、子供でも泣くことが少なくなります。
円形脱毛症
毛根に対する自己免疫反応により、頭髪が円形に抜けて脱毛斑を生じます。甲状腺機能異常、SLEなどの膠原病、梅毒などが原因の場合があり、血液検査を行う場合があります。治療法としてステロイド外用、局所注射療法がありますが、重症例では大学病院と連携してステロイド点滴治療をすることもあります。
蜂窩織炎/丹毒
黄色ブドウ球菌や溶連菌などによる皮膚の感染症です。熱が出たり、患部の痛みや腫れがでます。治療は抗菌薬投与になりますが、抗菌薬内服治療の効果が弱い場合、抗菌薬の点滴治療が必要となる場合があります。糖尿病がある方や免疫抑制剤を内服している方は重症化しやすいので、注意が必要です。
足白癬/爪白癬
水虫は皮膚の表層に白癬菌が感染することにより生じる感染症です。指趾や足の裏の皮がむけたり、爪が白濁、肥厚、脆弱になったりします。抗真菌薬の外用や内服治療を行います。爪白癬に対しては、内服治療の方が奏効率が高いため、肝臓機能が正常な方は内服治療を行うこともあります。
鶏眼/胼胝(ウオノメ/タコ)
靴が合わないことや外反母趾などにより足の裏などに慢性的な刺激があり、角層が厚くなる疾患です。ウオノメは中心に芯があり、芯の部分に圧力がかかると痛みを生じます。タコの場合は中心に芯はなく、痛みを生じません。治療は厚くなった角層を削ったり、スピール膏を貼付し柔らかくします。
皮膚腫瘍
皮膚には様々なできものができます。粉瘤や石灰化上皮腫といった硬い腫瘍や軟性線維といった柔らかい腫瘍、黒色の腫瘍である色素性母斑、基底細胞癌、悪性黒色腫などがあります。他にも有棘細胞癌などがあります。ダーモスコピーという拡大鏡を用い、精度の高い診断を行っております。日帰りで行える簡易的な手術に関しては当院でも行っております。大きい腫瘍や悪性腫瘍が疑われる場合は大学病院を紹介させていただきます。